いつのまにか監視されている私たちの日常
拡大する政府・企業の市民監視
講師:小笠原みどりさん(カナダ在住ジャーナリスト・監視研究者)
開催趣旨
●小笠原みどりさんからのメッセージ●
2017年、18年に公開されたスノーデン日本関連文書を徹底的に掘り下げることで、日本政府が12年からインターネット大量監視に主体的に舵を切ったことが見えてきました。政治の主導、なかでも内閣官房中枢の内閣情報調査室が政府内の反対を押し切って、これを実現させたことが判明しました。文書が示す個々の事実を、沖縄密約、対テロ戦争、特定秘密保護法、マイナンバー、共謀罪、メディアの萎縮、自衛隊や公安警察による市民監視の発覚といった現代史のなかに位置づけて、監視によって現代の権力がいかに変容しているのかを考えます。
さらに、AIやIoTといった、およそ「スマート」と名のつくデジタル技術は、大量監視を前提としています。官民が見えないところでつながっている監視活動が、民主主義への重大な脅威であることに気づく人たちは急速に増え、欧州のように本人の同意に基づかない個人データ利用を禁止する地域、サンフランシスコ市のように政府の顔認証システムを違法とする自治体が現れています。五輪向けに監視技術が日本へ大々的に売り込まれているいま、多くの人が便利で必要と思っているデジタル技術とデータを、監視という視点からとらえ直すときが来ています。
プログラム
●日本の運動の現場からーー小笠原さんの問題提起を受けて
オリンピック反対運動/天皇代替わり/マイナンバー(共通番号)/共謀罪・盗聴法
学習会① 原田報告・遠藤講演
戸籍へのマイナンバー導入は何をもたらすか
» 法務省戸籍制度研究会「最終とりまとめ」を読む(原田報告)
» 個人単位の国民管理 vs 家単位の国民管理(遠藤講演)
» 日本人が初めて経験する「個人単位」の国民管理をめぐって(参加者との質疑応答)
学習会② 井上報告
戸籍情報の連携とマイナンバー制度導入の危険性
» I 戸籍へのマイナンバー導入の経過
» II 法務省民事局における戸籍情報ネットワーク化の経緯
» III 戸籍の法・制度上の目的と戸籍情報連携システム
» IV 戸籍情報とプライバシー
» V 戸籍とは別の個人登録制度の可能性
学習会記録とレジュメ・資料のダウンロード
» 戸籍学習会①原田報告・遠藤講演・討論の記録(PDF、15Mバイト)
» 戸籍学習会①原田報告・遠藤講演のレジュメと資料(zip圧縮3.4Mバイト)
» 戸籍学習会②井上報告の記録(全)(PDF、15Mバイト)
» 戸籍学習会②レジュメ・資料(一括zip圧縮1.9Mバイト)
ビデオ
» 戸籍学習会① 原田報告・遠藤講演
» 戸籍学習会① 質疑討論
» 戸籍学習会②井上報告