マイナンバーはいらない

post by m-toshi at 2016.6.1 #118
J-LIS

地方公共団体情報システム機構(J-LIS)への質問書提出

 私たち共通番号いらないネットは様々な疑問を直接J-LISに対してぶつけることにしました。
個人番号カードは4月26日現在、申請数1003万枚のうち交付済みは337万枚で約3分の1しか配布できていないという異常な事態を迎えています。根本的なトラブルの原因はいまだに判明していない可能性があります。
4月27日、J-LISはトラブル解消を公表しましたが、その後も遅延は解消されていません。ということは根本的なトラブルの原因が判明していない可能性があるということです。
質問は、6月15日を回答期限としています。提出してから担当者から連絡があり、最低限文書で回答することを明言してもらいました。できればこちらが出向いて回答内容についてやりとりができるよう申し入れています。回答内容についてはまたこのサイトでお知らせいたします。

マイナンバー関連システムについての質問書

»質問書全文のPDF
2016年5月25日
地方公共団体情報システム機構
理事長 西尾勝様
共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会
(共通番号いらないネット)

マイナンバー関連システムについての質問書

 私たちは昨年2月20日に、共通番号に反対する市民・議員・研究者・医療関係者・弁護士などにより結成された、共通番号制度の廃止をめざす緩やかなネットワークです。

 1月に共通番号(マイナンバー)制度の運用がはじまり、来年からは情報連携の開始が予定されていますが、マイナンバー制度で重要な役割をもつ貴機構に対し、様々な不安と疑問を抱いております。

  そのいくつかにつき、下記の事項を確認させていただきたいと思いますので、ご回答ください。回答はファックスか郵送にて6月15日までにいただくか、別途お会いして回答に基づくやりとりをお願いします。

[1]カード交付に関わるシステムトラブルについて

 一連の報道から、貴機構に起因する以下のトラブルが発生していると思われます。
  1. (1)通知カード送付時に、東京都葛飾区で約5000世帯に通知漏れが発生
  2. (2)J-LISの中継サーバートラブルで個人番号カードの交付が停止(2016年1月に少なくとも6回発生)
  3. (3)J-LISの管理サーバートラブルで個人番号カードの交付が停止(2016年2月22日13:00頃~16:30頃)
  4. (4)個人番号カードの不具合(1月21日発送のマイナンバーカード約2万6千枚で電子証明書データに不具合、2月24日朝日新聞報道)
  5. (5)市町村の交付処理画面の展開が重く処理が遅延するトラブル(1月以降現在まで報道)
  6. (6)個人番号カードのICチップが使用不能になり再発行するトラブル(4月に各紙報道)
  7. (7)2016年4月5日に佐賀新聞が報じた、発行作業完了後に氏名や住所で使う文字をシステムで認識できる文字に置き換える際にエラーが起き個人番号カードの情報を読み取れなくなるトラブル
これらについて、以下の点を明らかにしてください。
(1) 通知カード送付時のトラブルについて
  1. 1)葛飾区に対して、いつ、どのような説明を行ったか
  2. 2)その他の市区町村に対して、トラブルの内容についての説明を行ったか
  3. 3)トラブルの原因は公表されていないが、市民に対し説明できる事項はないか
(2)2016年1月のトラブルについて
  1. 1)4月27日に原因が説明されるまで3カ月かかっているが、なぜ長期間を要したのか
  2. 2)1月に2回(19日、25日)原因と対処を公表されているが、結果的にそれで解消せずトラブルは続いた。原因不明な状態で、なぜカード発行業務を停止せずに継続したのか
(3)2016年2月22日のトラブルについて
 4月27日の「報道資料」では1月の6回の事象のみ説明され、2月22日のトラブルについての説明はされていない。2月23日の記者会見で総務大臣は、1月のトラブルは中継サーバの不具合だったが2月のトラブルは管理サーバの不具合で原因が異なっていると説明している。
  1. 1)2月22日のトラブルの原因はなにか。それは解決したのか。
  2. 2)4月27日の報道資料で、その説明をしていないのはなぜか
(4)個人番号カードの不具合について
  1. 1)不具合の内容とその原因について明らかにされたい
  2. 2)貴機構からこの不具合についての説明が公表されていないのはなぜか
(5)交付処理画面の展開が遅延するトラブルについて
 4月27日に貴殿は「根本的な発生原因を取り除くための対応策を実施いたしました。こうした対応の結果、カード管理システムは安定的に稼動しております。」とのお詫びを公表されているが、その後も同様の事象が続いているとの報道がされている(5月2日河北新報、5月17日都政新報等)。
  1. 1)(5)についての原因と対処は、4月27日の「参考資料」の1と3で説明されていると理解してよいか
  2. 2)「参考資料」の1では、「スレッドの命名ルールの変更」「メモリの拡張」の対応をしたとされているが、この対応によりどの程度の処理の高速化が期待できるのか、それをどのようにテストしたのか、明らかにされたい。
  3. 3)「参考資料」の3では、市区町村に対して「通信が過度に集中する」時間帯に交付前設定等の処理を控えることを求めているが、今後もこの対応をしなければ処理が遅延するトラブルは発生するということか。
  4. 4)「参考資料」の1と3のいずれも、「過度に通信が集中する」「事務が想定より過度に重なった」ことが原因としている。しかし住民異動の多い3~4月の繁忙期に通信が集中することは当然想定される。またマイナンバーカードの交付は3月末までに当初1000万枚を予定し、その後補正予算で計2500万枚交付する措置をしたことを考えれば、300万枚程度で「過度に集中」ということはありえない。
    想定の範囲内にもかかわらず「過度に通信が集中」する事態になったということは、業務量の想定を誤ったか、システム設計にミスがあったか、そもそもの交付計画に無理があったのではないかと思われるが、その原因を説明されたい。
(6)ICチップが使用不能になるトラブルについて
  1. 1)原因と対応は、4月27日の「参考資料」の2で説明されていると理解してよいか
  2. 2)「過度に通信が集中」することが原因と説明されているが、2016年3月までに1000万枚の交付を想定していたにもかかわらず、その1/3以下の処理で「過度」になったのはなぜか。
  3. 3)横浜市と京都市でシステム改修を実施後に、運用状況を見極めた上で順次全国で実施すると説明されているが、その運用状況と今後の改修予定を明らかにされたい
(7)佐賀新聞が報じたトラブルについて
  1. 1)トラブルの内容について説明されたい
  2. 2)4月5日の佐賀新聞は、「市は2月中旬ごろに機構に対応を求めたが、現在まで交付できていない」と報道しているが、その後の対応状況を説明されたい
(8)これらのトラブルの間に因果関係があるのか、否か

[2]2月に報じられたマイナンバーが重複付番されたトラブルについて

 原因は2010年に長野県長野市に転入した際に誤って香川県坂出市の別人の住民票コードを付番した長野市の手続きミスとされているが、住基ネットの全国センターでもある貴機構にうかがいたい。
  1. 1)2010年から5年間、重複した住民票コードが付番されていたと理解してよいか。
  2. 2)住基ネットに住民票コードの重複付番の有無を確認するシステムはないのか
  3. 3)同様の事例が発生する可能性はあるが、重複付番の有無は調査したか

[3]貴機構が管理する個人情報について

(1)個人番号カード発行のために保管されている個人情報について
 総務省が2015年9月29日に自治体に通知した「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」の問9で、個人番号カードの交付申請書に関する自己の情報に係る開示請求や捜査関係事項照会があった場合、「個人番号カードの交付申請書の受付及び保存は、市町村から機構に委任されているため、当該開示請求や当該捜査関係事項照会は機構に対して行なうよう、当該請求等の相手方に教示することとなる」と回答している。
  1. 1)貴機構に開示請求や捜査関係事項照会があった場合の対応について説明されたい
  2. 2)捜査関係事項照会の有無について自己情報開示請求をした場合の対応を説明されたい
  3. 3)自己情報の開示請求の方法について、市民に説明をしているか
  4. 4)個人番号カード発行のために提供される顔写真の記録方法について、単なる画像として管理されるのか、顔認証に利用が可能なデータとして管理されるのか
(2)中間サーバー・プラットフォームで管理される住民情報について
 自治体と情報提供ネットワークシステムとを仲介する中間サーバについて、貴機構が管理する全国2カ所の「中間サーバー・プラットフォーム」に共同化されることにより、最新の全住民情報の副本が集約して保管されることになっている。
  1. 1)自己情報の開示請求や捜査関係事項照会があった場合の対応について説明されたい。
  2. 2)捜査関係事項照会の有無について自己情報開示請求をした場合の対応を説明されたい。
  3. 3)自己情報の開示請求の方法について、市民に説明をしているか

[4]貴機構の情報公開について

  1. 1)私たちが2月12日に各省庁との話し合いをした際に、総務省からは「独立行政法人の情報公開法の規定に従った形で規定を設けて情報公開に対応している」と説明されている。情報公開の規定と手続きについて説明されたい
  2. 2)中間サーバー・プラットフォームについて、自治体に対してソフトウェア基本設計書・詳細設計書などを提供しない扱いになっていると聞いている。提供しない理由はなにか。また「地方公共団体が共同して運営する法人」である貴機構として、自治体から情報提供を求められたら基本設計、詳細設計等を提供するか。
  3. 3)中間サーバー・プラットフォームのソフトウェア・ハードフェア整備の進捗状況および今後の予定を明らかにされたい
  4. 4)中間サーバー・プラットフォーム関係の受注業者を明らかにされたい
  5. 5)2014年11月に中間サーバー・プラットフォームのプロジェクト管理支援業務の入札が不調になったとの報道があったが、その後プロジェクト管理支援業務をどのように行っているか説明されたい
  6. 6)中間サーバーのソフトウェア設計・開発業務の受注について、2013年11月に落札したNTTコムウェアがその後辞退し、再入札によって2014年1月にNECに決定したが、辞退の理由について明らかにされたい
  7. 7)貴機構の担当別(マイナンバー関係、住基ネット関係、公的個人認証関係、総合行政ネットワーク関係)の職員数、およびそれぞれについてその職員の内訳(機構採用、省庁や自治体からの出向、企業からの出向等の内訳)を明らかにされたい。 

以上  

回答および問い合わせは以下にお願いします。
 事務局連絡先 (略)
Note
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