マイナンバーはいらない

post by nonumber-tom at 2019.3.20 #246
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マイナンバーカードの保険証利用に反対する声明

政府は2月15日、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにするとともに、医療・健診・介護の個人情報を共有する仕組みをつくる法案を国会に提出し、今国会で成立させようとしています。
 共通番号いらないネットはこの法案に対して3点の問題を指摘し、マイナンバーカードの保険証利用に反対する声明を、3月18日発表しました。

▼以下はダイジェストです。声明全文は » こちら (PDF 246k)。

マイナンバーカードの保険証 利用に反対します(ダイジェスト版)


 政府は2月15日、「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案」を国会に提出しました1
 「医療保険のオンライン資格確認の導入」として、健康保険証の代わりにマイナンバーカードを使う仕組みを作るとともに、医療情報、介護情報などデータベースを連結し解析可能にするなど医療・健診・介護の情報の共有をしようとしています。私たちはこの法案に、以下の三つの理由で反対します。

(1)普及しないマイナンバーカードの所持の押しつけに反対する

 この法案は、医療機関の窓口で保険証の代わりにマイナンバーカードを読み込み、支払基金・国保中央会にネット経由で照会することで資格確認ができるようにするものです。当面、現在の保険証の被保険者番号に2桁追加して、被保険者番号を個人単位化し資格確認することも併用しています。

不人気なマイナンバーカードの強引な普及策

 政府は2019年3月までに8700万枚交付を目指すなど、マイナンバーカードの普及をはかってきました。しかし2018年12月現在交付済みのマイナンバーカードは1,564万枚、交付率12.2%と、まったく普及せず利用も低迷しています2。昨年11月の政府の世論調査では今後も取得予定がない人が53%で、必要性が感じられないことや紛失・盗難・漏えいの不安が理由と答えています3
 しかし政府はこの現実を反省することなく、強引に普及をめざすために保険証の代わりにマイナンバーカードを所持させようとしています。マイナンバーカードの申請は任意であり、政府がマイナンバーカードを所持せざるを得ない状況をつくって強引に普及を図るのは本末転倒です。

(2)医療や自治体の現場に混乱を引き起し、紛失等の危険を高める

市民にはメリットはなく、カードの紛失などの危険が高まる

 この「医療保険のオンライン資格確認の導入」は、市民にとってメリットはありません。それどころか医療機関を受診するたびにマイナンバーカードを持参すれば、院内でカードを紛失したり、医療従事者がマイナンバーに触れるトラブルも予想されます。オンライン確認にはデータセンターとの通信が必要であるため、目視確認より時間がかかり窓口の混乱も予想されます。さらにインターネットのトラブルでオンライン回線が使えないと、受診できなくなりかねません。
医療機関は設備の新設やセキュリティー対策の負担が増える
 医療機関にとっても、「医療保険のオンライン資格確認の導入」のためには医療機関にオンライン設備が必須になります。診療報酬請求明細書(レセプト)をオンライン請求している回線の利用を想定していますが、レセプトをオンラインで請求していない医療機関が2017年3月時点で全体の43・2%にのぼり、これらの医療機関がこの制度のためだけに設備を新設する必要が生じます。新たに医療機関のコンピュータが資格確認のため常時外部つながることになり、セキュリテイの問題も懸念されます。

マイナンバーカードを交付する自治体窓口も混乱する

 マイナンバーカードを交付する市町村も混乱します。現在発行されている被保険者証(保険証)は約8,700万枚あり、新たに約7,300万人の国民がマイナンバーカードを持つことを強いられかねません。2016年1月のマイナンバーカード交付開始のときには、1000万枚程度の申請でシステムトラブルが発生し、半年たってもカードが受け取れない事態が起きました。大量のカードの申請を受ければ、交付時の本人確認も困難になり成りすまし取得などの危険も高まります。

(3)プライバシー保護の条件が整わない医療等の情報共有に反対する

目的は医療や介護の個人情報の連結と利用

 この「医療保険のオンライン資格確認の導入」は、医療・健康・介護などの個人情報の共有の基礎となるものです。マイナンバー制度のインフラを使うため、個人の医療情報がマイナンバー制度と結びつくことになります。これにより、医療や介護のレセプトデータを連結し解析するための情報を一元的に管理する他、電子カルテの標準化も支援するとしており、電子カルテから直接情報を集める仕組みの準備ともとれる案も出されています。

プライバシー保護の法律をつくらないまま、なし崩しに医療情報を利用

 2013年に番号法が成立したとき、医療情報は特に機微性が高い情報が含まれるため、漏洩等が生じた場合、個人のプライバシーに重大な損害を与えることになるため、別の法律を作り取り扱いを検討することになっていたはずです4。それがなされないままなしくずしに医療情報がマイナンバー制度と結び付けられ利用されようとしています。漏洩や目的外利用等が起こった場合、個人が蒙る損害は計り知れません。
 一方、医師には刑法134条で守秘義務があり、このデータベース作成、利用は医師の守秘義務に抵触する可能性もあります。また、自分がかかった医療機関での診療内容等がこのような形で利用されることに国民は了承しているのでしょうか?それどころか利用されることすら聞いてもいない国民のほうが多いのではないでしょうか。 国会で審議するのは時期尚早であり、その前に広く国民の間で議論することを求めます。
 
◯学習会2 「戸籍情報の連携とマイナンバー制度導入の危険性」2018.7.12の記録を準備中:11月を予定
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