マイナンバーはいらない

post by 40kara at 2015.9.1 #38
決議・声明

番号利用拡大法案の参議院通過に抗議する決議を発表しました

 2015年8月28日、番号利用拡大法案が参議院本会議で修正可決されました。私たち「共通番号いらないネット」は、同日、「共通番号もカードもいらない! 全国討論交流集会(8.28院内集会)」を参議院議員会館で開催。番号利用拡大法案の参議院通過に抗議するとともに、10月番号通知の延期と共通番号制度の抜本的見直しを求める「院内集会決議」を採択し、発表しました。
»「20150829院内集会決議」(pdfダウンロード)

共通番号もカードもいらない! 院内集会決議

 2015年6月1日、日本年金機構が公表した標的型攻撃による100万件を超える年金データの流出事件は、共通番号制度など他の情報システムに対する市民の疑念をふくらませた。6月17日、長野県上田市は庁内LANが標的型攻撃を受けたことを公表した。総務省の指示によりLGWANや住基ネットの接続まで遮断する深刻な事態だった。年金データ流出事件の検証報告書は、厚労省が4月に標的型攻撃を受けていながら、その教訓を日本年金機構に対する攻撃に活かせなかったと指摘し、官民を問わずすべての組織が、この種の攻撃に備える必要性を提言している。
 ところが「マイナンバーは年金システムと違って安全だ」と宣伝する政府は、年金データ流出事件に関する検証報告書の内容を一顧だにせず、日本年金機構が特定個人情報を扱う時期を先延ばしするという民主党の修正案を受け容れ、本日、番号法利用拡大法案を参議院本会議で可決する暴挙に出た。
 共通番号制度では全国すべての住民登録者の個人情報が全国2か所の中間サーバーに集積される。政府はこれを「分散管理」と言ってはばからない。ここが攻撃されたら情報が根こそぎ流出する危険があり、被害の規模と深刻さは年金データの比ではない。 自治体は、充分な情報を与えられず中身のわからない中間サーバーについても管理責任を負わされ、特定個人情報保護評価書では総務省が示す記載内容を書き写すよう指示され、「個人のプライバシー等の権利利益の保護に取り組んでいることを宣言」させられている。年金データ流出事件で検証報告書が問題だと指摘する、曖昧な責任分界のうえに再び私たちの個人情報が集められ、利用されようとしている。
 共通番号による情報連携の思想とは、利便性の名の下に本人同意を得ることなくデータマッチングを効率的に進めていこうとするものだ。情報提供について本人に拒否権はなく、人権を脅かす重大な問題が発生することがわかっていても自治体は個人情報を提供する義務を課せられる。自己情報コントロール権を侵害し、地方自治を否定する共通番号制度を受け容れることはできない。
 政府は産業競争力会議において、マイナンバー活用新法を次期通常国会に上程しようとしていることを明らかにした。これまでの税・社会保障・災害対策という枠組みをはずれ、戸籍、保険証、医療など全面拡大路線に突き進もうとしている。
 戦争法案に隠れて、番号利用拡大法案をこっそりと成立させようとする安倍政権の手法を私たちは絶対に許さない。創意工夫に富んださまざまな抵抗を試みよう。
 私たちは拡大法案の参議院可決に強く抗議するとともに、今後予想されるさらなる拡大に対峙して共通番号廃止まで粘り強く運動を継続していく決意をここに表明し、次の3点を本集会参加者の総意として決議する。
  1. 番号利用拡大法案の参議院通過に抗議する! 法案は廃案とせよ!
  2. 10月番号通知・1月個人番号カード交付を延期せよ!
  3. 共通番号制度を抜本的に見直せ!
2015年8月28日
共通番号もカードもいらない! 院内集会 参加者一同
Note
 院内集会の会場で配付した集会決議に事実誤認がありましたので、以下のとおり訂正いたします。大変申し訳ございませんでした。
   誤)●一部を除き●情報提供について本人に拒否権はなく、人権を脅かす重大な問題が
     発生することがわかっていても自治体は個人情報を提供する義務を課せられる。
   正)情報提供について本人に拒否権はなく、人権を脅かす重大な問題が発生することが
     わかっていても自治体は個人情報を提供する義務を課せられる。
●ではさんだ部分を削除しました。情報提供ネットワークによる情報連携に本人の拒否権を認めるものはひとつもありません。
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