マイナンバーはいらない

post by okuyama+40kara at 2015.11.16 #77
マイナンバー訴訟

マイナンバーマイナンバー訴訟って何?
ミニ学習会「マイナンバーマイナンバー訴訟説明会」報告

 政府は共通番号制度(マイナンバー制度)がかかえる問題点を明らかにしないまま、2016年1月の利用開始に向けて突き進んでいます。
 これに対し弁護士グループが中心となって12月1日、全国7か所の地方裁判所にマイナンバー違憲訴訟を提訴する準備を進めています。どのような論理で何を訴えるのか、共通番号いらないネットでは11月7日、マイナンバー違憲訴訟東京弁護団の水永誠二弁護士を招いて、裁判の全体像についてお話をうかがいました。

ミニ学習会開催の目的
 共通番号制度(マイナンバー制度)に対する市民の関心が日増しに高まる一方、共通番号・カードの廃止をめざす運動の側では制度の問題点についてまだ十分な情報発信ができていません。
 共通番号いらないネットでは、共通番号制度の当面する課題を整理し、得られた成果をサイトを通じて発信していくことを目的に、2回のミニ学習会を企画しました。その第1回が11月7日に開催した「マイナンバー違憲訴訟説明会」です(この学習会の第2回は11月26日開催の »共通番号対処の仕方を考える です)。
 以下、マイナンバー違憲訴訟説明会の概要について報告します。
増大する人権侵害の危険性と裁判の狙い
 講師の水永弁護士は、住基ネット違憲訴訟とマイナンバー違憲訴訟との違いについて、氏名・生年月日・性別・住所という本人識別情報を扱う住基ネットと、所得・健康保険・福祉などの機微情報を扱うマイナンバー制度とでは人権侵害の危険性が全く違うと指摘。制度の問題点を洗い出し、広く明らかにすることで歯止めをかけたいと裁判の狙いを述べました。
一斉提訴、その共通点と相違点
 今回、全国7か所で一斉提訴するマイナンバー違憲訴訟(個人番号利用差し止め訴訟)では、基本的に同じ内容の訴状で提訴し、準備書面の共通化が図られます。原告の募集については、大阪では一般公募して100人規模をめざす一方、東京では30人から50人を想定するなど、それぞれの事務局の事情によって異なるそうです。
 水永弁護士からは、共通する訴状の構成にしたがって訴訟内容の説明がありました。説明後の意見交換と併せて、記録をとりまとめましたので、お読みください。
(まとめ:共通番号いらないネット事務局)

裁判の提訴

  • 提訴:12月1日予定。前週にマスコミレクチャーを予定。
  • 提訴地:仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、福岡。追って来年に神奈川を予定。
  • 原告(予定):共通番号いらないネット参加者、医療福祉関係者、性同一性障害者、地方自治体議員など。提訴地ごとに募集。東京訴訟の窓口は、東京合同事務所が担当してくれる。訴状の内容などは共通で、ひな形作成を水永弁護士が担当。
  • 原告団の他に、支援組織(各地域毎で結成)が欲しい。カンパも必要。裁判傍聴が重要。年に1回程度の原告団総会

訴訟の概要

  • 国(法務大臣)のみを被告とする民事訴訟である。民間も対象にすることは可能だが、広がりすぎるので、絞った。
  • 制度スタート(2016年)前の提訴となるので、「危険性があるので、差し止めを要求する」という予防訴訟である。
  • 制度が始まって、現実被害(マイナンバーを提示しないことで、就労の機会を失うなどの不利益)が発生したら、それを排除せよという請求理由を加えていく。

請求の趣旨(原告が求める判決)

  • 1.被告は、原告らにかかる個人番号を収集、保存、利用、提供してはならない。
  • 2.被告は、保存している原告らの個人番号を削除せよ。
  • 3.被告は、原告らに対し、各11万円を支払え。

請求の原因(請求理由)

1.マイナンバー制度(共通番号制度)の概要

  • 制度の特徴を、7つの観点で説明。

2.マイナンバー制度の危険性

  • 詳細に説明。現在の危険性と、将来における危険性の増大。
  • 人格権の侵害:性同一性障害者、ペンネームの使用者の自己情報が開示されることの侵害。ストーカー被害者は、住所漏洩による身体の危険性がある。
  • 国は、「制度面とシステム面の安全対策を図っている」と言うが、不足している。第三者委員会の権限は、警察には及ばない。特定個人情報保護評価(日本版PIA)は行政の自己評価で、事務毎のセキュリティ対策評価に留まっている。

3.原告らの権利・利益の侵害

  • (1) プライバシー権、人格的自律権の侵害
    • 憲法13条で保障されたプライバシー権の侵害。自己情報コントロール権(法的に確定したとは言えない権利ではあるが)の侵害であり、その程度は、普通の人の想定を越えている。
    • 人格的自律権等の侵害(萎縮効果)。2013年の社会保障・税番号大綱では、その懸念に言及されていたのに、いまの政権は、利活用ばかりを前面に出している。
    • 国の安全保障という面では、これほどのデータベースを作ることは如何なものかという意見もありうる。
  • (2) 利益衡量
    • 権利侵害に対しては、この観点を論証することが、裁判上必要とされている。
    • 税徴収の公平性を言うが、不公平性は、番号があれば解消される問題ではなく、税制自体の問題。
    • 目的の不明確性。プライバシー権侵害を受忍させる理由がない。
    • 費用対効果の不明確性。
  • (3) 平成20年3月6日住基ネット差止最高裁判決との関係
  • (4) 差し止め等の必要性。いまのうちに差し止めしておかないと、大変なことになる。
説明後出た、意見など(支障のない範囲でまとめました)
  • 法律のつくりが大変分かりにくい。きちんと理解している人は、ほとんどいないのではないか。省令で、政令で定めるという点が多い。
  • 萎縮効果:住基ネット金沢地裁判決の論拠。高裁判決でも維持されたが、最高裁で無視された。
  • 番号提示しないことで、働きにくい・働けなくなることは、労働権の侵害:憲法上の、幸福追求権侵害になるのではないか。
  • 特別な事情のない人にも、マイナンバーは侵害であると思われる。フリーライターが報酬を受け取る際に、4情報を記載したカードの提示を要求されるなど。
  • カードの提示は、認印で足りる場面なのに、いつでも実印を押させられるようなイメージ。普通の人でも、プライバシー侵害になっている。
  • 世の中の、本人確認が厳格になっている。
  • 公的個人認証とセットにされており、厳格に認証しなければ、ならないことになる。
  • SNSで個人情報を開示することが一般的になっているせいか、知られたって、いいじゃないかという人が増えている。監視カメラへの対応。住所を知られたくないなんて言う人は、おかしなやつだ、というのが、いまの風潮。
  • 健康保険証と個人番号カードを一体化したら、例えば、資格確認のためには、認証のための全国組織が必要になるなど、大がかりになる。
以上 
Note
訴訟原告募集の締切は11月20日です。
◯学習会2 「戸籍情報の連携とマイナンバー制度導入の危険性」2018.7.12の記録を準備中:11月を予定
twitter@iranai_mynumber facebook@bango-iranai
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