●裁判の進行

　第1回口頭弁論で控訴人（第一審原告）らは、今後、次の四つの主張を予定していると裁判所に伝えました。

　　(1) 国の答弁書に対する反論

　　(2) 玉蟲由樹さんの意見書に基づく主張

　　(3) 實原隆志さんの意見書に基づく主張

　　(4) デジタル改革関連法成立に伴う危険性の増大に関する主張

●第3回口頭弁論におけるやりとり

　第3回口頭弁論で控訴人らは、上記(3)の實原隆志さんの意見書に基づき、番号法19条14号16号の政令等への委任に関する憲法41条の問題を »準備書面（2） にまとめて提出。法廷では、出口弁護士がその主要部分を陳述しました。福岡から傍聴に訪れた實原さんは、報告集会で「意見書は論文にもしたんですけど、こう書けば良かったなぁと今後の論文作成の参考にもしようと思ったところです」と絶賛していました。

　被控訴人（国）からは、デジタル改革関連法成立によって大きく変わった番号法の改正条文が乙50号証から乙57号証として提出されましたが、その内容は行政のwebサイトに掲載された条文の新旧対照表や官報の写しにとどまっています。報告集会で神奈川弁護団の小賀坂弁護士は「神奈川でも同じものが出されたが、第一審で国は現時点の番号利用法はこれだというのを証拠〔東京訴訟では乙6号証の1および乙29号証〕で出しているんですよ。施行期日もまちまちなので、いつの時点でどの条文が適用されるのかもわからない」と指摘しました。

　 »マイナンバー訴訟の文書と資料（右サイドの文書一覧） をご覧ください。

　やりとりのなかで裁判長からは「次回終結とは言いませんから…」と結審が近いことをほのめかす発言もありました。

●第４回口頭弁論における進行の見込み

　前回、裁判長は、2月9日までに上記(4)のデジタル関連法に関する主張を提出するよう控訴人らに指示しました。今回控訴人らは、このことに関する準備書面を陳述する予定です。

　一方、国は、控訴人らが前回陳述した準備書面（2）について検討の上、必要があればこれに反論する予定です。