マイナンバーはいらない

post by nonumber-tom at 2023.11.23 #359
健康保険証の廃止 オンライン資格確認 新旧電子証明書 ひも付け誤り 携帯電話 本人確認 義務化 総務省 省庁ヒヤリング

総務省からの回答
マイナンバー制度・カードに関する 省庁ヒアリング

 9月28日、福島みずほ参議院議員事務所を通じて、厚労省・総務省・デジタル庁・個人情報保護委員会に、マイナンバー制度やマイナカードについてヒアリング1 を約30名の参加で行いました。
 この報告第2回では、総務省の回答の要旨とそれに対する会場での質疑・発言などを紹介します。
 私たちは厚労省に対して、マイナンバー情報総点検、申請時のマイナンバー記載の「義務化」、携帯電話の新規契約時の本人確認書類、新旧電子証明書のひも付け誤りなどについて説明を求めました。残るデジタル庁・個人情報保護委員会の回答については、第3回以降で報告する予定です。

●省庁ヒアリングの報告(2023.9.28)

 » 厚生労働省

 » 総務省

 » デジタル庁

 » 個人情報保護委員会

 

【総務省からの回答】

1)マイナンバー情報総点検について

(質問)
(1) 8月8日以降、自治体に対して総務省が示した点検についての説明資料を示されたい。
(総務省の回答)
 点検作業は二段階になっている。最初に7月中に現状どういう形でひも付けを行っているかの手順を確認し、その上で個別点検をした方がいいところは8月以降個別点検を依頼している。
 依頼は基本的には各所管省庁から自治体の各制度の所管に対してしている。デジタル庁からは自治体のマイナンバー担当部局に対して、総務省からは各自治体の総点検担当部局に対して、各制度所管官庁が発出している依頼を情報として送っている。
 総務省サイト2 に「マイナンバーの紐付けに関する一斉点検」として掲載しているのは、総務省が所管省庁として自治体に点検をお願いしたもの。
(質問)
(2) マイナンバー情報総点検本部の第1回資料2 3 では、再発防止策の方向性として、各種申請時等のマイナンバー記載義務化、機械的なJ-LIS照会の実施の検討、統一的な手順の提示等を示している。
 各行政機関は従来、番号の利用事務では個人番号の記載を求めるが、本人の意思で記載されない場合は未記載でも受理し手続きは行うと説明してきた。その扱いに変わりがないことを確認したい。
(総務省の回答)
 マイナンバーを利用する手続きにおいては、それぞれの根拠法令でマイナンバーが記載事項として定められている場合が多い。仮にマイナンバーの記載がなかった場合は、記載事項の不備として申請者に補正を求めることになる。その上でなお申請者が記載しない場合の取扱いについては、各制度の個別法令の規定で判断していただくことになるので、総務省から申し上げるものではないが、一般的には番号の提出を拒むことのみをもって手続きを行わないということはないと理解している。
(質問)
(3) 本人がマイナンバーの記載を拒み、J-LIS照会によってもマイナンバーを確認できなかった場合の扱いを示されたい。
(総務省の回答)
 J-LIS(地方公共団体情報システム機構)照会でマイナンバーを確認できない場合はあまりないと思うが、もし確認できない場合は照会する情報が足りなかった場合が考えられるので、そういう場合は足りなかった情報を補充して改めて照会して取得していると考えている。
 J-LIS照会で一致しないのは、4情報でなく3情報や2情報で照会して複数人がヒットした場合。住所の記載の揺れがあるのでヒットしないと言われるが、一定の揺れは例えば2丁目1番地2と2-1-2を同じと認識するなどの機能はあり、J-LIS照会でマイナンバーがわからないということはあまりないと考えている。 申請時にマイナンバーがわからない場合の扱いは、各制度所管省庁がどうしているかということになる。
(質問)
(4) 総務省は地方公務員等共済組合について、資格取得届書や年金の裁定請求書における個人番号の記載の徹底を求める規則改正を行おうとしている4。個人番号記載の徹底を求めるのは、この2種のみなのか、他の届書は従来通り記載の必要はないということでよいのか。
 また本人が記載した個人番号が本人のもので正しい番号かどうかの確認は、届書を受け付けた時点で行うのか、確認は誰がどのようにして行うのか、明らかにされたい。
(総務省の回答)
 システムに登録する際に個人番号を登録させていただくということで、そのあとにたとえば住所変更とか変更届出すたびにということではない。確認の時点は受け付けたときで、資格取得届であれば職場の人事担当とか、年金は年金事務所や組合事務所とかで受け付けるので、受付の時に記載されたマイナンバーと、マイナンバーカードなどマイナンバーの書かれた書類で確認する。
 番号確認はマイナンバーカードだけでなく、住民票でも通知カードでもわかるものを示してもらえばいい。最終的には共済組合に届くので、そこで4情報+番号が本人のものか、間違った番号が書かれていないかを確認する。
(質問)
(5)今春、マイナンバーカード申請サポートにおいて、別人の顔写真との取り違え交付が多数報道されている。総務省として把握している事案を示されたい。
 また6月20日の総務大臣記者会見で、マイナポイントの誤紐付け事案の調査結果の中で、マイナンバーカードの誤交付が2件あったことが報告されているが5、誤りが発生した経緯と理由を説明されたい。
(総務省の回答)
マイナンバーカードの顔写真取り違えによる誤交付は、令和5年度に判明した分として総務省が把握しているのは12団体16件。マイナンバーカードの誤交付は令和5年度に4団体4件を確認している。

2)携帯電話の新規契約時等の本人確認について

(質問)
 今春、携帯電話3社が相次いで契約時等の本人確認書類として、健康保険証等を認めないことを発表した(NTTドコモ3月22日、KDDI5月9日、ソフトバンク6月13日)。今後の本人確認書類として各社若干の違いはあるが、マイナンバーカードか運転免許証等(運転免許証、障がい者手帳、在留カード、パスポート等)の提示を案内している6
 しかしマイナンバーカードの所持は義務ではなく保有率は7割程度であり、運転免許証等は誰でも所持できるものではない。市民団体の質問に対して、A社は案内している書類は代表的なものでそれ以外での申し込みは問い合わせるようにと回答しているが、B社は案内している書類の提示がない場合は契約を受け付けられないと回答している。
 重要な社会インフラとなっている携帯電話・スマホが所持できないと、市民生活の支障となる。マイナンバーカードや運転免許証等が提示できない場合に、健康保険証等の複数の書類を提示するなど事情に応じた本人確認方法を保障すべきだと考えるが、総務省として携帯電話事業者と本人確認書類について協議しているか、今後協議する予定があるか、説明されたい。  
(総務省の回答)
 質問記載のとおりNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク3社が3~5月に発表して5~6月に健康保険証等の取扱いを終了している。3社とも理由としては契約者本人の意図せぬ不正な契約締結や不正利用が増加し、健康保険証に写真がないため偽造とかの被害があることをあげ、原則としてマイナンバーカード、運転免許証、在留カードなど写真付き本人確認書類を使うことを案内している。
 制度上、携帯電話不正利用防止法という特殊詐欺対策の法律があり、契約時の本人確認義務があり、確認書類として使用可能なものは施行規則に記載されている7。この中に健康保険証は現在も定められており、省令上は現在も本人確認書類して認められているが、省令では「使用することが可能な本人確認書類」を定めており、この全部を使わなくてはいけないということにはなっていない。各事業者でリスクを判断して、どの本人確認書類を使うか判断すると理解している。
 質問の気持ちはよくわかるので、今の意見は意見として承って検討したい。

3)新旧電子証明書のひも付けの誤りについて

(質問)
 2022年9月13日に総務省は「マイナポイントの複数申込事案の調査結果」の報道資料で、複数回申し込みケースが506件、このうち350件は上限額を超えるマイナポイントが付与され、超過分のマイナポイントは合計約156万円相当分であることを公表した8
 重複の原因として2022年7月15日の報道資料9 で、マイナポイントとひも付ける利用者証明用電子証明書が更新された場合にも、新旧の証明書を紐付け同一人物であることを確認しているが、市区町村において法律で想定されていない場面で証明書の失効を行うと、新たな証明書が発行されても新旧の証明書の紐付けが行われず、複数回の申込が可能となる事案が発生したと説明している。
 「法律で想定されていない失効」については、署名用電子証明書が失効しても利用者証明用電子証明書の失効は行わないことになっているにもかかわらず、市区町村で利用者証明用電子証明書の職権失効をしたためと報じられている10
 この利用者証明用電子証明書の新旧ひも付けは、医療保険のオンライン資格確認等システムなどさまざまな仕組みで使われているため、以下を確認したい。
(1) 地方公共団体情報システム機構でおこなっているという、新旧電子証明書のひも付けの仕組みのわかる資料を示されたい。
(総務省の回答)
 資料として「利用者証明用電子証明書の新旧シリアル番号の紐付け実現について(イメージ)」11 を示す。平成29年1月からサービス開始している。
 J-LISのシステムの中で電子証明書のシリアル番号の新旧を管理している。データベースに署名用電子証明書のシリアル番号と利用者証明用電子証明書のシリアル番号と個人をひも付けてデータ登録して電子証明書の更新等で別の電子証明書になった場合、ひも付いていないともう一度利用登録からやり直さなくてはいけない。そこで新旧のシリアル番号をひも付けをして、新しい電子証明書については過去にすでに登録した方の証明書であることを把握できるようにして、登録の二度手間を防いでいるもの。
(質問)
(2) 2022年9月13日の報道資料で、「複数申込を防止するシステム上の対応を実施済み」としているが、どのようなシステム上の対応をしたのか、説明されたい。
(総務省の回答)
電子証明書を新しくした事由のうち市町村職員が職権で失効させたものについては、職権で失効された電子証明書と新しい電子証明書の発行番号がひも付けされていなかったので、職権で失効させた電子証明書についても新しい電子証明書とひも付けをさせるシステム上の対応をした。
(質問)
(3)市区町村に対して、この手続きの誤りを防止するためにおこなった通知や説明資料を示されたい。
(総務省の回答)
 3つ資料を示す。一点目は令和4年6月28日の「電子証明書の職権失効に係る適切な事務の実施について」。ここで求めている内容は、職権失効については事由として1-4が限定列挙されているが、市町村によってはこれ以外の理由で職権失効していたケースがあって、そういうケースはひも付けできず二重交付の原因となっていたので、市町村に限定列挙されている事由以外では職権失効しないように通知。令和4年7月13日の通知も、同様の趣旨。
 令和4年9月14日の通知は、職権失効以外にも窓口で破棄して失効させるものがある、これはカードを使い始める前になんらかの理由でカードを使わなくなって失効させるもので、こういう失効についても適切な事務処理を、具体的にはカードの運用状況について扱いを徹底することをお願いしていたもの。
 それとあわせてひも付けシステムについても、職権失効した場合もひも付けを行うように改修を行うことで、誤りが防止されている。
(質問)
(4) 9月13日の報道資料では、上限額を超えるマイナポイントの付与が判明した方にはポイントの精算を行うとされていたが、清算結果を示されたい。
(総務省の回答)
 マイナポイント事業は補助事業として実施しており、ポイントは各決済サービスのポイントとして付与されて、ポイントの清算は各決済事業者と連携して随時実施している。
 ポイントの付与や清算については、マイナポイントシステム上で個人に対するポイントの付与状況をすべて確認できるものではなく、総務省が個別の案件を追跡できるようになっていない。事業の終了時にマイナポイント事務局が決済事業者分をとりまとめて補助金の請求をすることによって確定する。
 したがって清算結果が確定するのは、マイナポイント事業が完了して補助金の清算が完了する時点になるので、現時点でとりまとめを示すことはできない。
(質問)
(5) 署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書が失効するのは、それぞれどのような場合か示されたい。また失効期間があいた後に再び電子証明書を申請した場合、どのように同一人であることを確認して新旧のひも付けを行うのか説明されたい。
(総務省の回答)
 システム上は期間が空いてもひも付けでき、誤りはおきない。J-LIS で失効情報を保管しているので、期間が空いても過去に失効したことがわかりひも付けが可能になっている。この確認にマイナンバーは利用していない。

【回答に対する質疑と会場意見など】

マイナンバー情報総点検について

 マイナ保険証のひも付け誤りの対策として申請時のマイナンバー記載義務化が出されているが、マイナンバーの記載がなかった場合について「記載事項の不備として申請者に補正を求めることになるが、その上でなお申請者が記載しない場合の取扱いについては、一般的には提出を拒むことのみをもって手続きを行わないということはない」という扱いは、今後も変わらないことが確認された。厚労省と同様の回答だった。
 公務員共済関係では参加者より、従来求めていなかったマイナンバーの提供と確認を新たに学校現場で求めるのは負担が大きく、住所・氏名・生年月日・性別の4情報で J-LIS に照会すればマイナンバーはわかるという説明であれば、なぜマイナンバーの記載を義務化しなければいけないのかとの指摘があった。
 マイナンバー情報総点検の中では話題になっていないが、6月に2件公表されていたマイナンバーカードの誤交付が、回答では4件に増えた。別人の顔写真との取り違え交付は12団体16件把握していると回答されたが、報道された事案はもっと多い。政府が「最高位の身分証明書」「デジタル社会のパスポート」とよぶマイナンバーカードの誤交付の検証が、なぜ軽視されているのだろうか。

携帯電話の新規契約時等の本人確認について

 マイナンバーカードや運転免許証等に本人確認書類が限定されれば携帯電話を取得できなくなり生活に困難をきたす人が出るという私たちの意見については、理解し検討したいとの回答だった。改善を期待したい。
 福島議員から、健康保険証が廃止された場合に資格確認書は携帯電話不正利用防止法で認める本人確認書類になるのかとの質問があり、厚労省で位置づけを検討して話がくれば犯罪収益移転防止法とあわせて施行規則を検討するとの説明があった。  

新旧電子証明書のひも付けの誤りについて

 マイナ保険証(オンライン資格確認)など政府の進めるマイナンバーカードの利活用の多くが、この電子証明書新旧ひも付けサービスに支えられている。もしここでトラブルがあるといろいろな事業が打撃を受ける。1年前の事案だが、いろいろトラブルが起きている中でこれは大丈夫かという不安があり質問した。
 説明は、市町村で失効処理を誤ってもひも付けられるようシステムを改修したということだった(失効処理については、デジタル庁サイト12 参照)。しかし、そもそも一人一つと決められている電子証明書が、マイナンバーカードに重複して記録可能だったという点に問題があるのではないか。
 提供された説明図(注11の図)には、このひも付けのために機構(J-LIS)が認証業務情報を利用できることについて利用申込時に本人同意を得ることや、機構から新旧ひも付け情報を取得することについて事業者側も本人同意が必要と説明されているが、この本人同意の手続きはされているのだろうか。
 この新旧シリアル番号のひも付けサービスは、仕組みも運用ルールも不明な点が多く、今後も説明を求めていきたい。

Note

*1 ヒアリングの予告詳細は » こちら を参照。すべての質問事項もPDFファイルで参照できます。

*2 総務省サイト »「マイナンバー制度」 のページ末尾参照。

*3 デジタル庁、第1回マイナンバー情報総点検本部 (2023 年6月21日)資料2 »「マイナンバーによる情報連携の正確性確保に向けた総点検について」

*4 » 地方公務員等共済組合法施行規則改正 パフリック・コメント結果資料

*5 » マイナポイントの誤紐付け事案の全自治体調査最終報告 (総務省報道資料 2023年6月20日)

*6 いらないネットwebサイト » 携帯電話3社への質問、同 » 携帯電話3社の回答

*7 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律施行規則第5条で、外国人を除く自然人について本人確認書類は以下が列挙されている。

イ 運転免許証若しくは運転経歴証明書、在留カード、特別永住者証明書、個人番号カード、旅券等又は船舶観光上陸許可書

ロ 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証又は自衛官診療証(いずれも氏名、住居及び生年月日の記載があるものに限る)

ハ 児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳(いずれも氏名、住居及び生年月日の記載があるものに限る。)

ニ 印鑑登録証明書、戸籍の附票の写し、住民票の写し又は住民票の記載事項証明書

ホ イからニまでに掲げる書類のほか、官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、氏名、住居及び生年月日の記載があり、写真があるもの

ヘ イからホまでに掲げる書類のほか、官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、氏名、住居及び生年月日の記載があるもの

*8 » マイナポイントの複数申込事案の調査結果(総務省報道資料 2022年9月13日)

*9 » マイナポイントの複数申込への対応(総務省報道資料 2022年7月15日)

*10 » マイナポイントの重複申請500人超 政府はなぜ見逃したのか(朝日デジタル 2022年9月13日)

*11 »「利用者証明用電子証明書の新旧シリアル番号の紐付け実現について(イメージ)」 総務省提供

*12 デジタル庁 » 「電子証明書が失効する場合とその対応」

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